コロナ感染症からの学び
2020年9月20日
- 江戸川区議会議員 よぎ(プラニク・ヨゲンドラ)
過去からみても、コロナ感染症は人類にとって最大の学びになるのではないでしょうか。こんにちまで、世界中では3000万人以上が感染し、約100万人が亡くなられています。
コロナ感染症のマイナス面と言えば、コロナによって発生した分断や格差です。貧困と裕福の間の分断、健常者と病人の間の分断、教育のある者と教育のない者の間の分断、情報を持つ者と情報を持たない者の間の分断、適応力のある者と保守的な者の間の分断です。
私は、コロナ感染症が長引いたことに意味があると感じます。我々人類は、いつの間にか、地球上にいるのは我々人間だけではない、という事実を忘れてしまっていました。でも、コロナによって、我々人間が地球上の生態系の中でとても小さな存在であることを改めて認識させられました。
コロナ感染症のプラスな面と言えば、ヒマラヤ山脈が500~600キロの距離から見渡せるようになったこと、人が家族と過ごす時間が長くなったこと、企業が在宅勤務を許可し、社内のプロセスや商品改善に努めるようになったことなどです。人が自らの欲望と無駄な行動を抑え、ゴミや汚染を減らしています。
実は、これらのプラスな面を超え、私にはコロナ感染症がもたらすたくさんの可能性が見えてくるのです。先ずは、個人として、我々は自分自身の生活や社会生活を覗き、家族や社会に対し更なる思いやりを感じるようになると思います。表面では、人は身勝手に見えるかもしれない、災害が発生した場合はそれもおかしくないが、コロナ感染症の影響で人は反省を重ね、芯から変わると感じます。コミュニティーとして、例年のように祭りやイベントなど楽しむことは出来ないが、活発な情報共有により助け合いが進んでいます。
コロナ感染症のお蔭で近未来に可能だと思ってもいなかったことが実現されています。例えば、国内企業にとって在宅勤務はタブーでした。でも、今年の5月からその状況が一変し、頑固な金融機関まで含め、20%以上の企業が在宅勤務や時差出勤を導入し、通勤電車やオフィス内の密集を避けました。
この勤務体制がコロナ収束後に継続しないにしても、今後同様な危機が発生した場合にどのように行動すれば良いか、我々がその知識や経験を得ることが出来ました。これから、人は普段から物事の在り方を問うようになり、改善を求めていくでしょう。一部の業界や職種では失業者が出ているが、工夫や職種が増え、新たな労働力が生まれるでしょう。
技術の使用や浸透はもちろん広がります。日本全国の公立小中学校ではギガスクール計画の一貫として学生一人ひとりにタブレットが配布され、オンライン教育の推進により教育格差が縮まると思われます。大人の方も継続教育として様々なオンライン講座に参加し、達成感を味わっています。
行政の面では、既に予算編成における変化が生じています。政府が税収の使い方への変化について議論をしています。災害対策や医療サービスはもっと充実するでしょう。コロナ感染症発生後、持続可能な開発目標(SDGs)の導入が推進されており、法改正などにより色々な機会が作られるのでしょう。
生まれてから43年生き続ける中で、サーズ、リーマンショック、東日本大震災を経験しました。でも、今回のコロナ感染症が大きく違います。他の震災は色んなことを認識させてくれたが、時間が経つに連れ、その認識が薄れました。但し、コロナ感染症は大きな影響を残し、我々の生活に関わる色んなことが実際に変更され、元の状態に戻ることは不可能であろう。今後、このような災害の際により高いレベルの国際協力を期待したいと思います。